2012年01月24日

オマエは右に、オレは左。

遠くまで歩いて来たなぁ。





なかなか仕事が片付かなくて、遅れて会場に到着したオレは、いきなりノケ反った。

ずっと音信不通だった人間が、上座に鎮座していたからだ。




…会社は違えど、ずっと同業界で頑張ってきたヤツは、ある日1本のメールをくれただけで、忽然と姿を消した。

そして今は異業種の人間となって、オレの前に現れた。



当時ヤツは、業界の顔役だった。

オレはその背中をずっと見ていた。そしていつかは追い越してやろう!と密かに企む存在だった。

決して好きなタイプの人間では無かった。




しかし…、久しぶりに会っても相変わらずの憎まれ口の連打をオレに浴びせて来やがる。


ヤツの高速ジャブを、往年の具志堅用高ばりのスウエーでかわす作業も懐かしいやり取りだったが、それが済むと話す事が無くなった…。


なぜだ?


違う業界だから?


イヤこの違和感は、ヤツが現役じゃないからだ、と気付いた。


昔ならコッチも食らいついていたヤツの憎まれ口も、何故か腹が立たない。。。

年老いたボクサーの、力の無いボデイブロウの様に…。


そう、彼はとっくにリングを降りていたのだ。


オレはまだリングに残っている。


リングを降りた人間に対して、寛大になっているオレがいる。


そしてそんな寛大な自分自身にすらも違和感を感じた。

明日は我が身かも知れず、だからだ。

余裕ぶっているオレはオレが許せなくなった。



…打たれ強さを自負するオレでも、今では相当ボロボロにヤラれて、アザだらけのロートルだ。
自ら、いつでもリングを降りる事が出来る事を知っている…。




しかしヤツめ… もっと話す事あったろうに。

急に現れやがって。

遂に明日なる再会の約束すら交わさずに、飲み会は終えた。





オマエは右に、


オレは左。


交わる事の無い道を歩いていこう。







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Posted by 喜屋原義仁 at 12:14│Comments(0)独り言
 
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